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アメリカ超絶主義・ロマン主義文学 コレクション

 「アメリカ超絶主義文学コレクション」と銘打った本コレクションは、正確には「超絶主義・ロマン主義文学コレクション」とでも呼ぶべきもので、1987年にわが国の書店を仲介にアメリカより一括購入された、全221冊からなる貴重な文献集である。
 「超絶主義」または「トランセンデンタリズム」(“transcendentalism”)とは、1830年代の中ごろから1860年ごろにかけてアメリカのニューイングランドで栄えた思想運動の呼称で、その推進者が思想家であり詩人でもあったラルフ・ウォルドー・エマソン(Ralph Waldo Emerson, 1803−1882)である。この名前の基となったトランセンド(transcend)という語は「乗り越える」という意味を持ち、エマソンはこの言葉を使って、人間がこの世で経験するもろもろの経験を超越して、自己の内なる何か絶対的な価値(神性)を直観によって掴み取ろうと主張した。
 この考え方は個人の絶対的尊厳を重視するもので、個人主義と平等主義の推進力となり、アメリカンデモクラシーの根底につながる思想となってゆくのであるが、これを身をもって実行し、文学として表現したのが、エマソンの友人ヘンリー・デイヴィッド・ソロー(Henry David Thoreau, 1817−1862)である。
 この思想運動にいわば触発された形で、個々人が持つ 「自己」 というものの意味合いを追求しようとする文学運動がほぼ時を同じくして起こり、1850 年代には「アメリカン・ルネッサンス」 と呼ばれるアメリカにおけるロマン主義文学の全盛期を迎えることとなる。その代表的作家が、上記二人のほかナサニエル・ホーソーン(Nathaniel Hawthorne, 1804−1864)、ハーマン・メルヴィル(Herman Melville, 1819−1891)、ウォルト・ホイットマン(Walt Whitman, 1819−1892) らであった。
 本コレクションにはこの五名を中心に、19 世紀アメリカ・ロマン主義文学および超絶主義を推進した文人、思想家、実践活動家たちの貴重な初版本が含まれており、その中から代表的な作品を選んで以下に紹介する。 

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