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伝宗祇筆『園塵 第一』

 室町後期の連歌師猪苗代兼載(いなわしろけんさい)(1452−1510)の句集。『園塵』は年代順に「第一」から「第四」までの4巻が存するが、本書はその「第一」の春連歌から恋連歌までを収める。紙中極め(加証奥書)に「宗祇真蹟」とあるが、宗祇の筆とは断定できない。箱に付されている記載から、益田孝(号は鈍翁、三井財閥を築く)の旧蔵であったことが知れる。
 書誌は、縦(幅)17.5 糎。本文料紙は縦17 糎、横30 糎の懐紙様の猪紙28 枚を継ぎ、雲母刷鳥の子(斐紙)で表装。もとは冊子本であったのを裏打ちし、巻子本に改装したものである。書写は室町後期、改装は江戸前期か。表紙は草花撫子模様、見返しは、紺地に金で山水菖蒲を描く。2009 年の再調査で、本大学本は『園塵(第一)』前半部(春連歌から恋連歌)であり、同筆の後半部(雑連歌)が、天理大学図書館綿屋文庫(れ3・1-28)に存することが判明した。同じ巻子本ではあるものの、その装丁は異なることから、元々上下2 冊の冊子であったものが、早い段階で別々の所有者のものとなり、その後江戸時代に各々別の巻子本に改装されたことが推定される。本書と天理大学本は、『園塵 第一』の中でも成立時に近い最終的な本文をもつ第Ⅲ類に分類され、極めて貴重な書と言えよう。

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