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ポープ編『シェイクスピア全集』

 シェイクスピアの戯曲を一冊にまとめた大型本は17世紀で終わり、18世紀になると、手にとって読みやすい多巻本が作られるようになった。その最初の全集がニコラス・ロウが編纂した全集で、それに次いで2 番目となる全集が、18世紀の大詩人アレクサンダー・ポープ(Alexander Pope, 1688−1744)が1725年に出したこの四つ折り本6巻からなる全集である。第一巻目にある全集全体のタイトルは上の写真に見られるように要所要所が赤の太字で印刷されている。これは本学が所蔵するシェイクスピアの刊本の中では唯一の例であり、当時の印刷技術の発達や製本事情を示す例としても貴重な資料である。
 タイトルページに次いで、ポープの「序文」、ニコラス・ロウがシェイクスピアの生涯等について述べたエッセイがあり、 最後にベン・ジョンソンの「シェイクスピア賛歌」が置かれている。
 なお、第6巻の巻末にインデックス――Index of the Characters, Sentiments, Speeches and Descriptions in SHAKESPEAR――と、本書の出版に際して比較・検討・利用された各種刊本の一欄表が添えられている。
 本文は、ニコラス・ロウの全集を底本としているが、語や詩行の省略、語句の追加をしたり、当世風の言葉に改訂したりするなど、いかにもポープらしい恣意的な校訂を行ったので、同時代のシェイクスピア学者ルイス・ティボルドにこの全集の誤りを手厳しく指摘されている。

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