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伝藤原為相筆『源氏物語』紅葉賀の巻

 紅葉賀の巻は『源氏物語』7番目の巻である。光源氏の父桐壺帝は、寵愛する妃藤壺のために宮中で試楽を催した。懐妊している藤壺を慰めようとの心遣いであるが、生まれてくる子の父親は、実は光源氏である。紅葉の散り初める中、源氏は青海波を舞う。藤壺を慕って袖を振る源氏、罪の意識に苛さいなまれる中で源氏を見つめる藤壺。舞う源氏の優美さは見るものに感動を与えたと、後の巻々でも繰り返し語られる。
 本書は、鎌倉時代後期の書写。鎌倉後期の『源氏物語』写本も少なく、貴重な本である。残念ながら、紅葉賀の巻の最後の1丁(16 文字)はなく、花散里の巻冒頭の1丁が付けられている。藤原為相筆という極札(きわめふだ)が付くが、為相筆とは断定できない。為相は藤原定家の孫で為家の子、冷泉家の祖に当たる。縦17.4 糎、横17.1 糎の枡形本。表紙は、墨流しの料紙に金銀砂子・野毛散らし。見返しは、金銀箔を密に蒔く。表紙・見返しとも、書写された当時のままの原表紙であり、珍しい。当初河内本と分類されていたが、2009 年の調査の結果青表紙本であり、鶴見大学図書館蔵の須磨の巻と僚巻(同じ1具)であることが判明した。

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