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『偐紫田舎源氏』

 柳亭種彦作、歌川国貞画の合巻で、『源氏物語』を草双紙化した作品である。合巻は全丁挿絵入りで、絵の周囲に平仮名細字の本文が入る形式の小説である。各編上下冊となっており、色摺の表紙がつき、2編ずつ袋に入れて売り出された。本書には袋が残っている点でも貴重である。本作は江戸時代に出された『源氏物語』の注釈類をもとに、原作の面影を写しつつ、光源氏に当たる足利光氏を主人公に推理小説仕立てにしているのが特徴である。第39編の版木もできていたようだが、天保13年(1842)に絶版処分を受け、第38 編で版行を終えた。絶版理由は、巷説では大奥の描写があったためと言われるが、戯作文学一般への弾圧と華美装幀の禁止が目的であったと考えられる。

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