貴重書ギャラリー

『源氏物語(絵入り)』 25冊(数巻ずつ合綴) 慶安3-4年刊

 「桐壷」のみ承応3年(1654)の刊記があり、再版であるが、他は無刊記で、慶安3-4年(1650-1651)の初版である。『源氏物語』全文に挿絵が入れられ、本文に初めて解釈を経た読点、濁点、振り仮名、傍注が付けられたもので、広く読まれた。本来は全60冊であるが、本学本は数巻ずつ合綴され25冊になっている。別冊付録の「源氏目案」「源氏系図」「源氏引歌」「山路の露」も揃う。

山脇文庫
 『源氏物語』の河内本の発見者として名高い山脇毅(はたす)氏の蔵書。
 山脇毅氏は明治18年(1885)、現在の東近江市五箇荘日吉町の生まれ、明治37年(1904)滋賀師範学校本科を卒業後教員となる。その後、大正4年(1915)9月京都帝国大学文学部選科に入学。卒業後、研究を続けながら、中学教師などを経て関西大学文学部の非常勤講師を勤められた。昭和38年(1963)本学が4年制大学創設のための大学設置認可申請にあたり、国文科の教授として招聘。まず短期大学の教授として着任していただき、昭和39年(1964)の4年制大学設立とともに、甲南女子大学国文科の教授として就任なさるはずであったが、残念ながらその開学直前の1月5日にお亡くなりになった。本学での在職期間は、甲南女子短期大学教授として昭和38年4月から12月までの9ヶ月間であった。山脇氏の蔵書は、在職中の昭和38年の8~9月に、本大学図書館に山脇文庫として『源氏物語』の注釈書を含む2000冊程度納められている。