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『シェイクスピア戯曲全集』初版

 シェイクスピアの没後7年を経た1623年に、同僚の役者でもあり、友人でもあったジョン・ヘミングとヘンリー・コンデルが、シェイクスピアの全ての戯曲を1冊の書物にまとめ、「本当の元の原稿に従った」とタイトルに記して出版した戯曲集が第1二つ折り本(ファースト・フォリオ)と呼ばれているこの刊本である。売価は1ポンドで(当時、一人前の印刷職人が2週間半働いて手にする賃金に相当するほどの大金だった)、1000部ほど印刷されたが、現存するのは世界で僅か238部と言われている。それも保存状態が悪かったり、ページが欠けていたりするものが多いのだが、本学が所蔵する刊本はもとサセックス公爵所蔵のもので、いわば「由緒正しい」刊本であり、ほぼ完全な状態で保存されている。タイトルページにある肖像画も鮮明で美しく、全ページとも完全に揃っており、後世の手になる補足・補修の箇所も認められない。日本国内はもちろん、世界的に見ても極めて優れた完本だと評価されている。
 巻を開くと、有名な肖像画があり、その対面ページにはその肖像画について書かれたベン・ジョンソンの詩、次にペンブルック伯とモンゴメリー伯への献辞、二人の編者による序文、シェイクスピアを賛美するベン・ジョンソンなどの詩が置かれている。その次に目次、劇団の主要な役者(真っ先にシェイクスピアの名があり、その次に座頭で、シェイクスピア劇の大半で主演したリチャード・バーベッジ、以下26名)の名が掲げられている。作品は『テンペスト』から始まって、「喜劇」14篇、「史劇」10篇、「悲劇」12篇の順に全部で36篇の戯曲が二段組で印刷されている。ただし、目次には『トロイラスとクレシダ』のタイトルが欠けている。

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