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ベル編『シェイクスピア戯曲全集』

  出版販売業者ジョン・ベル(John Bell, 1745−1831)が、劇場支配人でもあった名優デイヴィッド・ギャリック(1717−79)の上演台本に基づいて編纂した廉価版のシェイクスピア全集である。タイトルページは、従来の全集とは異なり、かなり装飾的で、飾り文字、イタリック、太字、細字等を使い分け、劇のタイトルは渦巻き状の装飾で囲んでいる。
 タイトルの中に「当局の出版許可を受けた」と明記されていることも他の全集と異なる点である。 また、タイトルページに各巻に収録されている作品の目次があるが、その順序と実際に掲載されている順序が異なっている。恐らくデザインを優先し、字数などを考慮してタイトルを恣意的に配列したものであろう。  第一巻のタイトルページの左側に「40歳のシェイクスピア」と書かれている肖像画があり、その次に「シェイクスピア戯曲への手引き」としてギャリックへの献辞と彼の肖像画が掲げられ、次いで「広告」と「雄弁について」と題するエッセイが掲載されている。戯曲掲載の順序は、弟一巻は『マクベス』から始まるが、その後は『お気に召すまま』、『オセロ』、『終わりよければすべてよし』がくるなど、フォリオはもとより、その他の全集とは編纂の仕方がかなり異なっている。各戯曲には舞台の挿絵が1 枚ずつ置かれている。これはハンマー版全集と同じ趣向であるが、各戯曲ごとにタイトルページがあって、それぞれ上演された劇場やマネージャー、プロンプターまで記されているのも目立った特徴である。

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