「『話す・書く・伝える』の200年史ミュージアム」は、200周年を迎える100年後の甲南女子学園につくられた、 コミュニケーションメディアの保存・アーカイブを行う架空のミュージアムです。
運営の母体となるのは、甲南女子学園創立100周年に向け、2018年に立ち上がった「『話す・書く・伝える』の100年史研究会」。 卒業生の在学時のエピソードや、人類のメディア史、アニメやゲームにおけるメディアの描かれ方を研究し、ものと人の関わり、そこから生み出される思い出について考察をしてきました。 これまで研究会で取り上げてきたメディアのなかから、“コミュニケーションの面倒さ”という点で、メディア史においても特異な存在と言える、「ポケットベル(ポケベル)」に着目し、 本ミュージアムのコレクションとして迎え、同時に、そのメディア体験をシミュレートできるようにしました。
1990年代、女子高生を中心とする若者の間で流行したポケベルは、数字を用い暗号のようなコミュニケーションを行うツールとして、それらを取り巻く独自の文化や風景を生み出してきました。
全盛期の1996年には、加入契約数1,000万台超。その後、携帯電話・PHSなどの普及に伴って減少し、2019年に惜しまれながら個人向けサービスが終了しました。
時代の動向や空気感と強く結びついたメディア、ポケベルのシミュレーションを通して、当時のコミュニケーションのあり方を探ります。