貴重書ギャラリー
フローレンス・ナイチンゲール『病院覚え書』 London: John W. Parker & Son, 1859.
本書『病院(びょういん)覚え書(おぼえがき)』(Notes on hospitals)の出版を契機に、『病院建築の権威』と称されるようになったナイチンゲール。1959年に『看護覚え書』と同時に、本書を出版しました。
本書は、「病院の第一の必要条件は、病人に害を与えないことである」という言葉ではじまり、『健康的な病院』について書かれた書物です。「病院が病人に害を与える?!」当時の人々の驚きの声が聞こえそうです。ナイチンゲールが設計した建築様式が、ほんの50年前まで、世界各国の病院でも用いられていました。病室が個室化されたことにより、今では、イギリスの国会議事堂の向かいにある聖トマス病院の「ナイチンゲール病棟」だけにそれを見ることができます。