チャールズ・ディケンズ コレクション
イギリスを代表するヴィクトリア朝の小説家チャールズ・ディケンズ(Charles Dickens, 1812-1870)のコレクションには、ディケンズを一躍有名にした『ピクウィック・ペーパーズ』(The Posthumous Papers of the Pickwick Club)、母親を揶揄していることで知られる『ニコラス・ニクルビー』(The Life and Adventures of Nicholas Nickleby), ディケンズの小説では珍しい歴史小説『二都物語』(A Tale of Two Cities), ディケンズの最後の小説『エドウィン・ドルードの謎』(The Mystery of Edwin Drood)の初版の作品の他に8点の小説、ナンサッチ社の『ディケンズ全集』(The Nonesuch Dickens)、ディケンズから出版業者のフレドリック・チャップマン(Frederic Chapman)に宛てた自筆の手紙一通などがある。
The Nonesuch Dickens
このディケンズ全集は、Nonesuch Pressが1937年から翌年にかけてロンドンのChapman and Hall社から877枚に及ぶ当時初版本に使われた銅版や木版の全部を譲り受け、その原版の数だけの限定版として発行した。原版は全てそれぞれの購入予約者に贈与されたもので、そのため、重版は出されていない。
本図書館所蔵のナンサッチ版のディケンズ全集は、限定877版のうちの第338版に当たるもので、木版はThe Old Curiosity Shop(『骨董店』)で使われている、'Phiz'(Hablot Knight Browne)による“Single Gentleman Undressing”(“Taken by a Single Gentleman”)というタイトルがつけられた挿絵である。