「書く」文字から、「選ばれる」文字へと変化していった現代。
絵文字によって区切られる感情、紐づく記憶について考えます。
講師
甲南女子大学文学部メディア表現学科准教授
水野 勝仁
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講義テーマをさらに深めるための関連資料
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ハイデッガー全集 第54巻 パルメニデス(創文社、1999年)
20世紀のドイツを代表する哲学者である著者が、1942〜1943年にフライブルク大学で行った冬学期講義を収録。
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物のかたちをした知識 実験機器の哲学(青土社、2005年)
機器や装置のかたちに込められた、科学者の創造的な思考を解き明かし、科学論を新たな切り口で見つめ直す一冊。
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グラモフォン・フィルム・タイプライター(筑摩書房、1999年)
19世紀末に誕生したメディアである蓄音機、映画、タイプライターから、文字文明が解体されていく歴史を描き出す。
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「『顔文字/絵文字』発音講座」(2017年)
Web演出の実験を行うメディア「変なWEBメディア」による企画。音読機能を用いて顔文字と絵文字の発音を提唱している。
参考文献
- アンヌ=マリー・クリスタン編、澤田治美監修『ビジュアル版 世界の文字の歴史文化図鑑 ヒエログリフからマルチメディアまで』(柊風舎、2012年)p.145
- M・ハイデッガー著、北嶋美雪/湯本和男/アルフレド・グッツオーニ訳『パルメニデス(ハイデッガー全集 第54巻)』(創文社、1999年)p.314
- デービス・ベアード著、松浦俊輔訳『物のかたちをした知識 実験機器の哲学』(青土社、2005年)p.314
- フリードリヒ・キットラー著、石光泰夫/石光輝子訳『グラモフォン・フィルム・タイプライター』(筑摩書房、1999年)p.31
- Type-Writer「Facit TP1 Typewriter - Typing demonstration」https://www.youtube.com/watch?v=87MNWFua7Fg
- 水野勝仁「最小化するヒトの行為とあたらな手 インターフェイスを読む#1」(EKRITS、2017年) http://ekrits.jp/2017/03/2297/
- Bret Victor「THE BRIEF RANT ON THE FUTURE OF INTERACTION DESIGN」(2011年)http://worrydream.com/ABriefRantOnTheFutureOfInteractionDesign/
- 豆乳「進化と衰退か紙一重、「紙」だけに」(2019年)https://note.com/tonyu0717/n/n7ff5610f284e
- dividual.inc「#10分遺言 Last Words / Type Trace」(2019年)https://typetrace.jp/
- 水野勝仁「絵文字😹😸🙀は空白をつくり、感情🔥を区切る」(EKRITS、2016年)http://ekrits.jp/2016/07/2076/
- GRETCHEN MCCULLOCH著、TOMOYUKI MATOBA/GALILEO訳「デジタル時代の子どもたちは、絵文字からも『言語』を学ぶ」(WIRED、2019年)https://wired.jp/2019/02/25/children-emoji-language-learning/
- 佐藤ねじ著、野崎錬太郎/橋本大和朗読「『顔文字/絵文字』発音講座」(Blue Puddle、2017年)http://web-media.blue-puddle.com/speak/
- ウィキペディア「タイプライター_Wikipedia」https://ja.wikipedia.org/wiki/タイプライター
- みふねたかし《油絵を描く画家》《カメラで撮影している人》(いらすとや)https://www.irasutoya.com/
- ※スライドで使用している映像、画像の一部には、教員による網かけなどの編集がなされています。
講義から思い起こされた受講者のエピソード
文字の誕生にはじまり、まだ見ぬ未来のメディアまで、
インターフェイス研究者・水野勝仁とともに、その変遷を追っていく。(全5回)
甲南女子大学文学部メディア表現学科准教授
水野 勝仁
甲南女子大学文学部メディア表現学科准教授
水野 勝仁
1977年生まれ。メディア・アート、インターフェイス研究者。国際基督教大学卒業。名古屋大学大学院情報科学研究科博士後期課程修了(博士・情報科学)。現在、甲南女子大学文学部メディア表現学科准教授。メディア・アートやインターネット上の表現をディスプレイと向かい合い続けるヒトの認識のアップデートという観点から考察しつつ、同時に「ヒトとコンピュータの共進化」という観点からインターフェイスの研究も行っている。
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85min
見えないものを形にする、魔術的な存在として誕生した文字。手書き文字にみる音と感覚、AIによる手書き文字、“女子の文字”流行の歴史などを辿り、人と文字の関わりを紐解く。
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91min
ボタンで文字を残すようになったわたしたちは、果たして「書く」ことに懐かしさを感じるのか。現代における打ち文字・絵文字のあり方から、デジタル時代の“思い出”を探る。
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86min
肉体から切り離された「声」のみでつながる道具の発明に、人々は心を大きく揺さぶられた。電話交換手との恋、都市伝説、リカちゃん電話など、数多のエピソードから電話という道具を考える。
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89min
ポケベルの流行、インターネットの登場、そしてSNSの台頭する時代へ。日々、目まぐるしく流行やサービスが移り変わるなか、わたしたちは思い出を共有することが可能なのか、論じていく。
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72min
わたしたちは、手に持てるデバイスを扱う最後の世代と言っても過言ではない。物質なしに、愛着や思い出は生まれうるのだろうか。VR普及前夜、未来の思い出のあり方を想像してみる。
遠い未来の社会を舞台としたアニメ・ゲームなどの作品から、
未来と現在における「話す・書く・伝える」を多様に紐解いていく。(全3回)
甲南女子大学文学部メディア表現学科講師
高尾 俊介
甲南女子大学文学部メディア表現学科講師
高尾 俊介
1981年生まれ、情報科学芸術大学院大学修了(修士・メディア表現)。メディア研究者、クリエイティブコーダー。詩を書くように自由にコードで自己表現する活動、デイリーコーディングを提唱、実践している。近年のデジタルテクノロジーの民主化に伴って、リベラルアーツとしてのメディア表現に関心を持ちながら作品制作を行っている。